玄関先では涼しい顔、でも指先はボロボロ
外では「物流のラストワンマイル」を支えるベテラン配達員。どんなに狭い路地でも、どんなに重いお米の定期便でも、お客様の前では涼しい顔でハンコをいただく。それが僕のプロとしての姿です。
しかし、その「プロの指先」は、実は連日の激務で悲鳴を上げていました。 原因は、愛車(軽バン)の荷台。 何も敷いていない純正の床面は、荷物を引き出すた時に間違って床面にこすると皮が床面にもってかれます。 「……痛っ!」 気づけば指の皮がめくれ、軍手にはうっすらと赤いシミ。
1日に何百回と繰り返す「荷物の出し入れ」という基本動作が、僕の体をじわじわと蝕んでいたのです。
総工費数百円の「カイゼン」:プラダン投入
「仕事道具の改善も、プロの仕事のうちだ」 そう自分に言い聞かせ、僕が駆け込んだのは近所のホームセンター。
そこで手に入れたのは、1枚数百円の「プラダン(プラスチック段ボール)」でした。 大きな1枚では足りず、2枚購入。愛車のサイズに合わせて、ハサミでジョキジョキと調整します。これぞ現場のDIY。 結果は、、、まさに「完配」レベルの快感!
荷物が滑る、滑る。今までの力は何だったのかというほど、荷出しのストレスがゼロになりました。指先の皮も守られ、僕の「ラストワンマイル」に平和が訪れたのです。
2年で訪れる「クタクタ」の限界と弱点
ただし、プラダンにも弱点はあります。
それは、荷台自体の凹凸(デコボコ)を拾ってしまうこと。 軽い荷物はいいんですが、重い荷物を載せると下の溝に合わせてプラダンが沈み、たまに荷物が「おっとっと」と傾くんです。これが地味にストレスになるので僕は下にクッションを入れて高さ調整をして安定させてます。
周りのベテラン勢を見渡すと、コンパネ(木の板)を完璧に敷き詰めている猛者たちがいます。 真っ平らな床面、ビシッと決まった積載。正直、見るたびに「いいなぁ、やりやすそうだなぁ」と羨望の眼差しを送っています。
でも、僕がコンパネに踏み切れないのには理由があります。 それは、「2センチ」という絶妙な厚み。 天井ギリギリの隙間に最後の一個をねじ込むような「積み込みの限界」に挑む僕にとって、この2センチの底上げは、勝敗を分ける大きなネックになるかもしれないからなんです(笑)
安定のコンパネか、高さをとるプラダンかこの究極の選択に悩みながら、僕は今日もクタクタになった愛おしいプラダンの上で、荷物と格闘しています。
【緊急点検】バッテリーは忘れた頃に牙を剥く
ここで、全てのドライバーに伝えたい「不在票」より重い、超重要な警告があります。
僕たちの頼れる相棒、エブリイ。 「よし、俺もコンパネで荷台をガチガチに仕上げるぞ!」と意気込んでいる方、ちょっと待ってください。
「エブリイのバッテリーは、荷台のシートの真下」に眠っていることを忘れていませんか?
車種によって構造は異なりますが、エブリイの場合はここが急所。 もしバッテリーへのアクセスを考えずにコンパネを設計・固定してしまうと、いざバッテリーが上がったときに「床が剥がせんーーー!」という絶望を味わうことになります。
まさに、自分で自分を「不在(お手上げ)」の状態に追い込んでしまうようなもの。 設計には、必ず「いざという時の逃げ道」を作っておくのがプロの嗜みです。
あと、何回もバッテリー上がりを経験した僕から、ほんの少しだけアドバイスを。
- ガソリンスタンドで「バッテリーチェック」を習慣にする 点検だけならタダです!夏場などの過酷な時期は、プロの目で早めに確認してもらいましょう。
- ブースターケーブルは常に積んでおく これさえあれば、知らない人に「すみません、助けてください!」とお願いする勇気一つで、最悪の事態は免れます。
現場での「立ち往生」という最悪の誤配を防ぐためにも、日頃の備えを忘れないようにしたいですね。
結論:小さな工夫が「明日」を創る
1日に何百、何千と繰り返す動作。 それは1年でみれば数十万回という膨大な数になります。
だからこそ、たった1ミリのズレや1秒のストレスを放置してはいけません。その「ちょっとした痛み」や「小さなイライラ」が積み重なると、1年後には体にも心にも大きな差となって跳ね返ってくるからです。
この手の改善は、「いつかやろう」と思ったその瞬間が、最大のチャンスです。 「たかがプラダン」「たかが2センチ」と笑うなかれ。現場で戦う僕らにとって、自分の城(荷台)を使いやすく整えることは、長くこの仕事を続けるための「最高の投資」だと僕は思います。
まずはホームセンターへ行くところから、あなたの「革命」を始めてみませんか?
「仕事では細かいのに、なんで家では扉を閉められないの?」 なんていつも 司令官(嫁)からの鋭いツッコミ(再配達)を受け流しながら、僕は今日も、絶好調の滑りを見せる荷台から、誰かの「笑顔」を届けるために出発するのでした。
